静岡県内の各地から消防団員50名(富士市からは4名)が参加して、土砂災害での捜索・救助方法やドローンの操作訓練を行いました。
午前:グループワーク中心の図上訓練
台風が接近する段階から、台風上陸、避難、川の氾濫、取り残された住人、停電など段階を追いながら、どのように対応するかグループで話し合いました。
私の所属した班は、熱海・裾野・沼津・富士の4市から20代~50代まで幅広い年代の消防団員が集まりました。
実際に災害対策を行った体験談などもあり、ハザードマップの確認や日ごろの訓練、災害に備えた準備の大切さを痛感しました。
午後①:土砂災害時の捜索と救助訓練
土砂に埋もれた人を見つけるために、土砂に棒をさして捜索する訓練です。
静岡市の若手消防団員さんが進んで埋もれ役になってくれました。
ブルーシートで挟まれた団員さんに砂をかけて下半身を埋めさせてもらいます。
埋められた側も土圧(どあつ)の強さを確認できます。
実際に棒を刺してアタリの感覚を確認します。
正直難しいです。何度も試して感覚を養いました。
傷病者の発見後は、救助の訓練になります。
体や顔の近くは手でかき出し、かき出された土砂をさらにスコップなどで外へ、外へ出します。とても体力のいる作業です。
埋もれた方の上半身を土砂から出すことで呼吸が確保できるようになります。
実際の土砂は水を含んでいるので、もっと大変な作業になります。
午後②:安全に救助する為の土留め(どどめ)の設置
土砂に埋もれた人を板で囲い、救助する場所に土砂の流入を防ぐのが応急土留めです。
応急土留めで囲うことで、救助もしやすくなり2次被害も軽減されます。
コンパネ(板)とパイプ、ロープを使用して設置しました。
ポールを打ち込む際に、スコップの持つところを支えにする方法や、日ごろ使用しない大きなハンマーの取り扱いを体験しました。
また、普段から工具を使われている職人さんはとても手際が良く、日ごろのお仕事が救助に活かせることも感じました。
午後③:ドローンの操作訓練
参加者全員が教官の指導を受けながらドローンを操作して、規定コースの飛行と救助者の発見方法を学びました。
操作はラジコンに似ていて、それほど難しくありません。
災害時に消防団がドローンを操作できれば、安全を確保しながら早期に救助者の発見にもつながると思います。
訓練内容からも、今後消防団への導入を検討している印象を受けました。
日曜日の朝から夕方まで1日の研修でしたが、実際に石川県で救助に携わった消防士の方が講師として指導してくださり、学びや経験も多く充実した研修でした。
また、静岡県内で頑張るたくさんの若い世代の消防団員に出会えて、モチベーションの向上にもつながりました。
今回の経験を活かすべき状況は、出来るだけ来ないでほしいのが本音ですが、日ごろの準備の大切さに気づき、いざという時に役立つ経験ができました。
ご指導いただいた皆様、参加された皆様、お疲れさまでした。ありがとうございました。